同人漫画や同人CGを始めようとして液タブを探すと、
「2万円台で十分?」
「どうせなら5万円以上の液タブを買った方がいい?」
「まだ作品を1本も売っていないのに、高い液タブを買って大丈夫?」
と迷うことがあります。
結論からいうと、売上ゼロ・初めての液タブなら、まず3万〜5万円前後を一つの上限候補として考えやすいです。
現在の公式販売価格を見ると、初心者向けの13〜16インチ液タブはおおむねこの価格帯に入っています。たとえばHUION公式ではKamvas 13が約2.8万円、Kamvas 13(Gen 3)が約3.2万円、Kamvas 16(2021)が約3.6万円。XPPenでもArtist 13セカンドが約3.2万円、Artist 16セカンドが約4万円で販売されています。価格はセール等で変動します。
つまり、初めてだからといって、
10万円近い上位モデルまで買わなければまともに描けない
わけではありません。
一方で、
とにかく最安の2万円以下を選べばいい
とも限りません。
見るべきなのは、
売上がまだない今の自分に、何万円の液タブなら「使わなくなっても後悔しすぎないか」
です。
売上ゼロなら「元を取れるか」で考えない
液タブを買うと、
「3万円の液タブなら作品を何本売れば回収できる?」
と考えたくなります。
しかし、初作品を出す前の段階では、
- 本当に作品を完成できるか
- 何作品作るか
- 何本売れるか
は分かりません。
そのため最初の液タブは、
売上で必ず回収できる金額
ではなく、
回収できなくても制作経験への支出として許容できる金額
で決めた方が安全です。
たとえば5万円を使って、半年後に同人制作をやめても、
「5万円なら経験代として仕方ない」
と思えるなら候補。
「絶対に5万円以上売らないと後悔する」
のであれば、予算を下げた方がよいでしょう。
2〜3万円台でも初心者向け液タブはある
2026年8月時点でも、液タブはかなり価格帯が広がっています。
HUION公式では、
- Kamvas 12:約2.2万円
- Kamvas 13:約2.6〜2.8万円
- Kamvas 13(Gen 3):約3.2万円
- Kamvas 16(2021):約3.6万円
などが掲載されています。
XPPen公式のセール掲載例でも、
- Artist 12セカンド:約2.6万円
- Artist 13セカンド:約3.2万円
- Artist 16セカンド:約4万円
となっています。
この価格帯でも、同人漫画・CGを始めるための選択肢はあります。
したがって、
初めての液タブ=5万〜10万円
と考える必要はありません。
3〜5万円が初回で選びやすい理由
初めてなら、この辺りが比較しやすい価格帯です。
理由は、
- 13〜16インチが選べる
- 初心者向けモデルが多い
- フルHD以上の製品が多い
- 筆圧・傾き対応も一般的
- 数万円上のプロ向けモデルまで行かなくても制作できる
からです。
WacomもWacom Oneを、これからデジタル制作を始めたい人向けのエントリーモデルとして位置付けており、11.6型・13.3型の液晶ペンタブレットを用意しています。
つまりメーカー側にも、
初心者向け液タブ
という明確な層があります。
最初からプロ向けの上位モデルを選ぶ必要はありません。
5万円を超えると何が変わってくる?
5万円以上になると、
- 16インチ以上
- 2.5K・4Kなど高解像度
- 色域・色精度の向上
- より高性能なペン
- フルラミネーション
- 本体品質
- 上位向けの接続・操作機能
などが増えてきます。
たとえばHUION公式ではKamvas 16(Gen 3)が約6万円、Kamvas Pro 16(4K)が約5.9万円、24インチ級では9万〜10万円以上のモデルもあります。
これらは魅力的ですが、
初作品が完成するかまだ分からない人
にとって、その追加性能を本当に使うかは分かりません。
最初から、
「高いほど長く使えて得」
と決めない方がよいでしょう。
高い液タブを買っても作品が完成するとは限らない
これはかなり重要です。
液タブを上位モデルにすれば、
- 画面が大きい
- 解像度が高い
- 描画感が良い
- 色がきれい
など、制作環境は改善します。
しかし、
- 漫画のネーム
- 線画
- CGの構図
- 塗り
- 作品を最後まで仕上げる習慣
まで買えるわけではありません。
売上ゼロの段階では、
機材不足が原因で作品が作れない
のか、
まだ制作経験そのものが少ない
のかを分けた方がよいでしょう。
後者なら、液タブへさらに5万円足すより、まず1作品完成させる方が意味があります。
初めてなら13インチと16インチのどちら?
価格を決めるとき、サイズもかなり影響します。
13インチ前後なら、
- 価格を抑えやすい
- 机を取りにくい
- 取り回しが楽
というメリットがあります。
16インチ前後になると、
- キャンバスを広く表示できる
- 漫画のペン入れがしやすい
- UIを表示しても作業領域を取りやすい
というメリットがあります。
現在の公式価格例でも、HUIONなら13インチ約3万円台、16インチ約3.6〜6万円程度で差があります。
初めてなら、
サイズアップに1〜3万円払う価値があるか
を見るのも予算判断になります。
漫画中心なら16インチへ出す意味はある
同人漫画では、
- 線画
- コマ
- フキダシ
- ツールパレット
- レイヤー
を同時に表示することが多くなります。
そのため、13インチより16インチの方が作業しやすいと感じる人はいます。
特に、
漫画を長時間描くことがすでに決まっている
なら、初回から16インチへ4〜6万円程度出す考え方もあります。
一方、
まずCGを1作品作る
デジタル制作が続くか試す
という段階なら、13インチクラスからでも十分です。
CG・画像修正中心なら高額モデルを急がなくていい
同人CGでは、
- 塗り
- レイヤー操作
- 差分
- 文字入れ
- AI画像修正
などもあります。
必ずしも長時間のペン入れが中心ではありません。
そのため、
画面の大きさ・描き心地に5万円追加する
より、
- PC
- ソフト
- モニター
- 保存環境
などへ予算を残した方がよい場合があります。
特にAI生成画像の修正中心なら、液タブ自体の優先度が下がることもあります。
PCを持っていないなら液タブだけに予算を使わない
一般的な液タブは単体で動くタブレットではありません。
Wacom OneもWindows、Mac、Android、Chromebookなどの端末へ接続して使用する液晶ペンタブレットです。
HUION・XPPenの液タブも基本的にPC等へ接続して利用します。
そのため、
制作予算10万円
↓
液タブ8万円
としてしまい、
今のPCでは重い
ソフトも買えない
では本末転倒です。
最初は液タブ単体ではなく、
制作環境全体の予算
として考えましょう。
液タブ以外に必要になる費用もある
液タブ本体だけ見て予算を決めると、後から追加費用が出ることがあります。
たとえば、
- スタンド
- USB-Cケーブル
- 変換アダプタ
- 保護フィルム
- グローブ
- モニターアーム
などです。
HUION公式でも、スタンド・ケーブル・保護フィルム・アームなどが別アクセサリーとして販売されています。
モデルによってはスタンド込み、別売りがあるので、
本体価格+実際に使い始めるまでの費用
で比較しましょう。
「高い方が長く使える」は半分正しい
5万円、10万円の液タブなら、
「安いものを買って買い直すより得」
と考えることがあります。
確かに、
- 制作継続が確定
- 欲しいサイズも確定
- 好きな描画感も分かる
なら、最初から上位モデルを買う方が買い替えを減らせます。
しかし初めての場合、
13インチを買った
↓
16インチが欲しくなった
という可能性だけでなく、
16インチを買った
↓
机が狭すぎた
液タブを買った
↓
板タブの方が楽だった
という可能性もあります。
つまり初回は、
性能不足による買い替えリスク
だけでなく、
自分に合う機材がまだ分からないリスク
があります。
だからこそ売上ゼロ段階では、上限を抑える意味があります。
1万円台の激安液タブまで下げる?
価格だけならさらに安い製品も見つかることがあります。
ただし、極端に価格だけで選ぶと、
- サイズ
- 色
- 接続
- ドライバ
- サポート
- ペン性能
などで不満が出る可能性があります。
初めての場合は、
一番安い製品
ではなく、
主要メーカーのエントリー〜中価格帯
から比較する方が無難です。
Wacom、XPPen、HUIONはいずれも現在、初心者・エントリー向けの液タブを用意しています。
予算2〜3万円が向く人
次のような状態です。
- 初めてデジタル制作
- 同人制作が続くか分からない
- 初作品をまず完成させたい
- 13インチ前後で問題ない
- 高解像度・高色域に強いこだわりがない
- PCやソフトにもお金を残したい
この場合は、
2〜3万円台のエントリーモデル
から検討できます。
「売上ゼロだから高い道具を買ってはいけない」という話ではなく、
まだ自分の必要仕様が分からないため、大きく賭けすぎない
という考え方です。
予算3〜5万円が向く人
初回では一番検討しやすい層です。
- 13〜16インチを比較したい
- 同人漫画をある程度続けるつもり
- 小さすぎるモデルは避けたい
- 描きやすさも重視したい
- 数年使うつもり
なら、3〜5万円前後を予算上限候補にできます。
現在の公式販売例でも、この範囲に初心者向け・標準的な13〜16インチ製品が複数あります。
5〜7万円まで出していい人
ここまで出すなら、理由を具体的にした方がよいでしょう。
たとえば、
- 16インチが必要
- 2.5K以上が欲しい
- 色精度を重視
- ペン性能にこだわる
- 長時間使う
- 制作継続がほぼ決まっている
場合です。
単に、
「どうせ買うなら良いもの」
だけなら、一度考え直してよいでしょう。
使う機能が具体的なら、上位モデルへの差額が意味を持ちます。
10万円以上は初回では慎重でいい
現在は20インチ超や4Kなど、10万円前後〜それ以上の液タブもあります。HUION公式でも24インチ4Kモデルは10万円前後で掲載されています。
もちろん予算に余裕があり、長期制作が決まっているなら選べます。
ただ、
- 売上ゼロ
- 初作品前
- 液タブ経験なし
という3つが揃っているなら、
最初の一台で10万円以上を使う必要性はかなり限定的
です。
作品制作を始めてからでも上位機へ移れます。
売上が出たら買い替える方法もある
初回は3万円程度の液タブ。
その後、
作品完成
↓
販売
↓
2作品目
↓
制作継続が確定
↓
売上や自分の制作費から上位液タブへ
という方法があります。
こうすると、
まだ分からない未来のために先払いする
のではなく、
制作を続けると分かった後で投資する
ことができます。
最初の液タブを「最終機材」にする必要はありません。
買い替えるなら何が不満になったら?
次のような不満が出たら上位モデルを検討できます。
- 画面が狭い
- 解像度が足りない
- 色表示が気になる
- 長時間作業が苦しい
- ペン性能に不満
- 接続が面倒
逆に、
問題なく作品を作れている
なら、売上が増えたからという理由だけで高級液タブへ買い替える必要はありません。
判断表|初めての液タブはいくらまで?
| 状態 | 予算目安の考え方 |
|---|---|
| とにかく試したい | 2〜3万円台から |
| 同人制作が続くか不明 | 2〜3万円台 |
| 初作品を作る | 3万円前後でも十分候補 |
| 13インチでよい | 3万円前後から候補あり |
| 16インチが欲しい | 4〜6万円前後を比較 |
| 数年続ける予定 | 3〜5万円以上も検討 |
| 2.5K・高色域等が欲しい | 5万円以上を検討 |
| 制作継続が確定 | 上位モデルも候補 |
| 売上ゼロ+初液タブ | 10万円超は慎重 |
| 今の液タブで困っていない | 買い替え不要 |
※価格は2026年8月時点の主要メーカー公式販売例を参考にした目安で、セール等により変動します。
結論|売上ゼロなら3〜5万円を一つの上限候補にして、「高性能」より「最初の1作品を完成できるか」を優先する
初めての液タブに、必ず5万円・10万円を出す必要はありません。
2026年8月時点では、主要メーカーにも、
2万円台後半〜4万円前後
で13〜16インチの初心者向け液タブがあります。
そのため、
まだ売上ゼロ
同人制作が続くか分からない
初めて液タブを使う
なら、
まず3〜5万円程度までを一つの上限候補として考え、
その中で、
- 13インチか16インチか
- 机に置けるか
- PCと接続できるか
- CLIP STUDIO PAINT等で使えるか
- スタンド等を含めて予算内か
を比較するのが現実的です。
CLIP STUDIO PAINTはWacom・XPPen・HUIONのペンタブレット/液晶ペンタブレットで動作確認を行っています。
5万円を超えるモデルを選ぶなら、
「高い方が安心」
ではなく、
「16インチが必要」
「2.5Kが必要」
「長時間使う」
など、差額を払う理由が具体的になってからでよいでしょう。
そして10万円以上は、
作品制作を続けることも、自分に合う液タブの条件も分かった後
でも遅くありません。
初回の目的は、
一生使う液タブを買うことではありません。
最初の1作品を完成できる制作環境を作ること。
まずそこに必要な金額だけ出す。
作品を作って、
「もっと大きい方がいい」
「色を重視したい」
「この機材なら何年も使う」
と分かってから、次の液タブへお金をかける。
売上ゼロの段階では、この順番の方が機材への先行投資を大きくしすぎずに済みます。
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3〜5万円程度を出す方向で、サイズを13インチと16インチのどちらにするか迷っている場合は、
「同人漫画・CG制作なら13インチと16インチの液タブどっち?」
を確認してみてください。
安い液タブから始めて、後から上位機へ買い替えるべきか迷う場合は、
「安い液タブで始めて後から買い替える?最初から長く使える機種を買う?」
も判断材料になります。
まだ液タブそのものが必要なのか決めていない場合は、
「同人制作を始めるなら液タブは必要?板タブでも十分?」
へ戻ると、そもそもの購入判断から整理できます。
出典
この記事は、2026年8月時点のWacom・XPPen・HUION公式情報をもとに作成しています。
