AI画像を作ったあと、
「細かい崩れを直すならPhotoshop?」
「イラスト系ならクリスタの方が描き直しやすい?」
「同人CG集を作るなら両方必要?」
と迷うことがあります。
結論からいうと、AI画像の不要物除去・背景修正・合成・生成による描き足しまで行いたいならPhotoshop、キャラクターの顔・手・髪・線・塗りを自分で描き直してイラストとして仕上げたいならCLIP STUDIO PAINTが向いています。
2026年時点のPhotoshopには、生成塗りつぶし、生成拡張、削除ツール、コンテンツに応じた塗りつぶしなど、既存画像の一部分を選択して直す機能が充実しています。削除ツールでは生成AIのオン・オフを選択でき、不要な要素の除去もできます。
一方、CLIP STUDIO PAINTには、ブラシ・レイヤー・色調補正・フィルター・ゆがみツールなどがあり、画像を素材として読み込んだ後、自分の手で描き直すイラスト編集に向いています。CLIP STUDIO PAINT自体には、過去に予定された画像生成AI機能を搭載しない方針が発表されています。
したがって、
AIにもう一度直させたい
→ Photoshop
自分で描いて直したい
→ クリスタ
という違いで考えると分かりやすいです。
AI画像の「仕上げ」といっても作業はかなり違う
AI画像でよくある修正には、
- 指や手の崩れ
- 顔の違和感
- 髪の乱れ
- 衣装の破綻
- 不要な人物・物体
- 背景の崩れ
- 画像端の不足
- 色味の調整
- 解像感の不足
などがあります。
これらを全部同じ方法で直す必要はありません。
たとえば、
背景に変な物体がある
なら自分で描くよりAIで自然に消した方が速い場合があります。
一方、
キャラクターの目が少し違う
なら生成し直すより、自分で描き直した方が意図通りになる場合があります。
つまり、Photoshopとクリスタの違いは、
どちらが高性能か
というより、
どう直したいか
です。
Photoshopが強いのは「AI画像をもう一度AIで直す」作業
Photoshopには生成塗りつぶしがあります。
画像の一部分を選択し、テキスト指示などを使って新しい内容を生成できます。
2026年時点ではFireflyだけでなく、Photoshopの生成塗りつぶしでパートナーAIモデルも選べるようになっています。
たとえば、
「この手だけ直したい」
「背景の看板を消したい」
「服の一部分だけ変えたい」
といった修正です。
元画像全体を作り直さず、
問題のある場所だけ生成し直す
ことができます。
AI画像の仕上げでは、この部分修正との相性がかなり良いです。
不要物を消すならPhotoshopが使いやすい
AI画像では、
「なぜか背景に物が増えている」
「指が1本余計」
「変なアクセサリーがある」
などがあります。
Photoshopの削除ツールでは、不要な領域をブラシで指定して削除できます。
2026年時点では、
- 自動
- 生成AIオン
- 生成AIオフ
を選択でき、オンデバイス処理にも対応しています。
また、従来型のコンテンツに応じた塗りつぶしでは、周辺ピクセルを使って不要な部分を埋めることもできます。
つまり、
AI生成を使って直す
と
通常の画像修復で直す
を同じPhotoshop内で選べます。
AI画像の外側を広げたいならPhotoshop
生成画像を作ったあと、
「縦長にしたい」
「横に背景を広げたい」
「キャラクターの足元まで欲しい」
ということがあります。
Photoshopには生成拡張などの生成AI機能があります。Adobe公式も、生成塗りつぶし・生成拡張・削除などをPhotoshopの生成AI機能として提供しています。
たとえば正方形のAI画像から、
SNS用横長画像
表紙用縦長画像
バナー用横長画像
へ作り直す場合にも使えます。
このようなキャンバス外を生成して補う作業はPhotoshopを選ぶ理由になります。
複数のAI画像を合成するならPhotoshop
たとえば、
AIで作った人物
+
別に作った背景
+
ロゴ
+
エフェクト
を組み合わせて1枚にする場合です。
Photoshopはもともと写真・画像編集・合成を中心とするソフトで、レイヤーを使った画像合成や切り抜き、色調整などができます。AdobeもPhotoshopを画像補正・加工からデザインまで対応する画像編集ツールとして案内しています。
そのため、
AIから出てきた1枚を描く
より、
複数素材を組み合わせて完成画像にする
用途ではPhotoshopを選びやすくなります。
ではクリスタが向くのはどんな修正?
CLIP STUDIO PAINTが強いのは、
AI画像をイラストとして描き直す作業
です。
たとえば、
- 目を描き直す
- 手を描き直す
- 髪を描き足す
- 衣装を修正する
- 輪郭を整える
- 線を描き加える
- 塗りムラを直す
- 自分の絵柄へ寄せる
場合です。
CLIP STUDIO PAINT PROはイラストやデザイン制作向けとして提供され、ブラシ・ベクター描画・各種フィルターなどを利用できます。
AI画像を完成品として扱うのではなく、
AI画像を下地にして自分で絵を完成させる
ならクリスタの出番です。
顔や手を自分で直せるならクリスタが使いやすい
AI画像で特に気になりやすいのが、
- 指
- 手
- 目
- 耳
- 髪
- 衣装の細部
です。
Photoshopなら生成AIでその場所だけ作り直せます。
しかし、
「何回生成しても微妙」
となる場合もあります。
自分で描ける人なら、
その部分だけ描き直してしまう方が早い
ことがあります。
CLIP STUDIO PAINTはそもそもイラスト制作ソフトなので、
ペンで描く
↓
色を拾う
↓
レイヤーを分ける
↓
形を調整する
という作業をしやすくなっています。
形を少し直すならクリスタの「ゆがみ」も使える
AI画像で、
「目の位置を少し動かしたい」
「輪郭を少し細くしたい」
「髪の形を変えたい」
といった場合、全部描き直す必要がないこともあります。
CLIP STUDIO PAINTの「ゆがみ」サブツールでは、画像をなぞって形状を直感的に変更できます。複数レイヤーへ同時に適用することもできます。
また、
- ぼかし
- シャープ
- ノイズ
- 色収差
- フィルム
- イラスト調
などのフィルターもあります。
そのため、AI画像をイラストとして微調整するだけならクリスタでもかなりできます。
クリスタにはPhotoshopのような生成塗りつぶしがある?
ここは大きな違いです。
CLIP STUDIO PAINTは2022年に試験実装を予定していた画像生成AIパレットについて、搭載しないことを決定したと公式に発表しました。
現在のクリスタは、
AI生成画像を自動で再生成して直すソフト
というより、
描画・加工・手作業で作品を仕上げるソフト
として考える方が適切です。
そのため、
「この指をAIでもう一度作って」
という作業ならPhotoshop。
「この指を自分で描き直す」
ならクリスタ。
という違いがはっきりします。
AI画像を大量に仕上げるならPhotoshop寄り
たとえば同人CG集で、
基本CG20枚
+
差分100枚
などを扱う場合です。
一枚一枚すべて手描き修正すると時間がかかります。
Photoshopなら、
- 不要物除去
- 背景修正
- 生成塗りつぶし
- 色調整
- 切り抜き
- 合成
などを使って、画像編集中心で処理できます。
AI画像を、
絵を描く素材
ではなく、
ほぼ完成した画像を修正する素材
として扱うならPhotoshopとの相性が良くなります。
イラストとして完成度を上げるならクリスタ
一方、
「AIっぽい細部を自分で直したい」
「自分のタッチを入れたい」
「キャラクターの顔を全部統一したい」
ならクリスタです。
特に複数のAI画像を同じキャラクターとして使う場合、
- 目の形
- 髪型
- 服のデザイン
- アクセサリー
- 線のタッチ
などを人間側で統一する作業が必要になることがあります。
この工程は生成AIによる再生成だけではなく、
描き直し
の方がコントロールしやすい場合があります。
AI同人CGならどっち?
AI生成を中心にCG集を作る場合は、Photoshop寄りです。
理由は、制作工程が、
AIで生成
↓
破綻部分を修正
↓
不要物削除
↓
背景調整
↓
サイズ調整
↓
書き出し
になりやすいためです。
つまり、
新しく描く
より、
生成された画像を修正・加工する
作業が多くなります。
この場合はPhotoshopの強みを使いやすくなります。
ただし、自分で顔・手・衣装などをかなり描き直すなら、クリスタを使う意味もあります。
Photoshopとクリスタ両方必要?
最初から両方契約する必要はありません。
AI画像生成+画像修正中心
→ Photoshopから
AI画像を下絵としてかなり描き直す
→ クリスタから
でよいでしょう。
実際に制作して、
Photoshopを使っているが
↓
手描き修正が増えた
ならクリスタを追加。
逆に、
クリスタで描き直しているが
↓
不要物除去や背景修正に時間がかかる
ならPhotoshopを追加。
という順番でも構いません。
価格差もかなり大きい
2026年8月時点のWindows/macOS版CLIP STUDIO PAINT PRO Ver.5.0無期限版は6,900円です。
一方Photoshopは買い切りではありません。
Adobe公式では2026年8月時点で、
Photoshop単体
3,280円/月(税込・年間プラン月々払い)
フォトプラン
2,380円/月(税込・年間プラン月々払い)
となっています。フォトプランにもPhotoshopデスクトップ版が含まれます。
そのため、
AI画像を数枚だけ手で直したい
なら、クリスタPROの無期限版の方が費用を抑えやすい場合があります。
逆に、
大量のAI画像を継続的に生成・修正・合成する
なら、Photoshopへの継続課金を仕事道具として考えやすくなります。
Photoshopを選びやすい人
次のような人です。
- AI画像の不要物を消したい
- 指や背景を生成し直したい
- 画像の外側を生成して広げたい
- 複数画像を合成したい
- 写真風AI画像を扱う
- AI同人CGを大量に処理する
- 自分ではあまり描かない
この場合は、
画像編集+生成AI
が中心になるためPhotoshop寄りです。
クリスタを選びやすい人
反対に、
- AIイラストを自分で描き直す
- 顔・手・髪を自分で修正できる
- 線画を追加する
- 自分の絵柄に寄せる
- 同人漫画にも使う
- CG以外にもイラストを描く
- サブスク費用を抑えたい
ならクリスタを選びやすくなります。
判断表|AI画像の仕上げはどっち?
| やりたいこと | 向くソフト |
|---|---|
| 不要物を消す | Photoshop |
| AIで部分的に描き直す | Photoshop |
| 背景を生成して広げる | Photoshop |
| 複数画像を合成 | Photoshop |
| 写真風画像のレタッチ | Photoshop |
| 大量のAI画像を加工 | Photoshop寄り |
| 顔・手を自分で描く | クリスタ |
| 線画を修正 | クリスタ |
| 髪・衣装を描き足す | クリスタ |
| 自分の絵柄へ寄せる | クリスタ |
| 同人漫画にも使う | クリスタ |
| 形を手動で微調整 | クリスタ |
| AI+手描きを両方本格的に使う | 併用も候補 |
結論|AIに直させるならPhotoshop、自分で描き直すならクリスタ
AIで作った画像を仕上げるためにPhotoshopとCLIP STUDIO PAINTのどちらを選ぶかは、
AI画像をどう直すか
で決まります。
Photoshopは、
生成塗りつぶし
生成拡張
削除ツール
コンテンツに応じた塗りつぶし
画像合成
など、既存の画像を修正・再生成する機能が強いソフトです。
そのため、
AI画像をベースに、AIと画像編集で完成させる
ならPhotoshopを選びやすくなります。
一方CLIP STUDIO PAINTは、
描画
ブラシ
ゆがみ
フィルター
イラスト制作
を中心としたソフトです。
そのため、
AI画像を下地として、自分の手で描き直して完成させる
ならクリスタを選びやすくなります。
特にAI同人CG集なら、
生成画像を大量に修正・加工する
→ Photoshop
AI生成+手描き修正で絵を仕上げる
→ クリスタ
という分け方ができます。
最初から両方を揃える必要はありません。
まず、
自分の修正作業の大半が「生成・加工」なのか「描画」なのか
を確認する。
生成・加工ならPhotoshop。
描画ならクリスタ。
両方の作業が増えてきたら、その時点で併用を検討すれば十分です。
次に読む記事
AI画像ではなく、同人漫画制作も含めてPhotoshopとクリスタを比較したい場合は、
「同人漫画を作るならPhotoshopとクリスタどっち?」
を確認してみてください。
AI同人作品の制作でPhotoshopを使う方向なら、
「AI同人CGを作るためだけにPhotoshopを契約する必要はある?」
が次の判断記事です。
クリスタでAI画像を描き直す方向なら、
「AI画像の手や顔を直すだけならCLIP STUDIO PAINT PROで十分?」
も判断材料になります。
出典
CLIP STUDIO PAINT|画像生成AI機能を搭載しないことについて
この記事は、2026年8月時点のAdobe・CLIP STUDIO PAINT公式情報をもとに作成しています。
